著作権に注意が必要

著作権に注意が必要

著作権を侵害しかねない

データさえ用意すれば、何でも立体化してしまえる3Dプリンタは、知らない間に著作権を侵害してしまう危険性があります。

自分で作成したデータの立体化には問題ありませんが、既存のキャラクターの立体化に関しては気をつけなければいけません。

作成した立体物の利用が個人での利用にとどまる場合は、法的な問題は発生しませんが、他人に販売したり、譲渡する場合には、著作権を侵害することになります。

データから立体物を作る場合はもちろん、反対にものから3Dデータを作ることも著作権の侵害になります。

3Dプリンタの利用はあくまでも個人での利用の範囲で行ったほうがよさそうです。

民事と刑事の責任が発生する

著作権を侵害すると民事上と刑事上の責任が発生します。

どちらもその後の生活を破綻させかねませんので、3Dプリンタの利用は慎重に行わなければいけません。

民事では損害賠償

民事上の責任としては、損害賠償の請求が一番重要です。

人気のあるキャラクターを勝手に複製して販売すれば、それだけ大きな賠償額を請求されることがありえます。

ちょっとしたお小遣い稼ぎのつもりで複製・販売したとしても、結局は高い買い物になってしまいます。

刑事では刑罰

刑事上の責任としては、著作権法が定めています。

罰金と懲役があり、販売目的で大量に複製しているような場合は刑罰が重くなります。

やはり高い買い物になってしまいます。

3Dスキャナー

3Dスキャナー

3Dスキャナー

3Dプリンタと名前が似ているものに、3Dスキャナーがあります。

3Dプリンタが立体物を作り出すのに対して、3Dスキャナーは立体物をデータ化することが目的の機械です。

パソコンに3Dスキャナーを接続して、データをパソコン上に保存しますので、取り込んだデータを後から自由に加工することができます。

取り扱いが難しい

3Dスキャナーは3Dプリンタほど一般に普及はしていません。

大抵の製品が高価であることに加えて、取り込んだ立体物のデータを修正する必要があることから、取り扱い自体に困難さが伴うことが問題です。

3Dスキャナーと3Dプリンタの連携

3Dスキャナーを3Dプリンタと連携させれば、データを取り込んでから立体化するところまでの一連の作業が可能となります。
連携させると、手軽に立体物の複製ができます。

もちろん、著作物を著作者の許可なく複製するのは違法ですから、自分で作ったオリジナルの立体物の複製をするようにしましょう。

熱溶解積層方式と光造形方式

熱溶解積層方式と光造形方式

3Dプリンタには二つの方式

3Dプリンタには、熱溶解積層方式と光造形方式の二つの種類があります。

熱溶解積層方式はプリンタ本体が比較的安価なため家庭用として販売されています。

光造形方式は本体が高価なため産業用として利用されています。

熱溶解積層方式

熱溶解積層方式は、「FDM(Fused deposition modeling)」と呼ばれることもあります。

この方式の3Dプリンタが家庭用として販売されています。

光造形方式よりも安価で製品化できるところに特徴があります。

熱溶解積層方式のしくみ

熱溶解積層方式では、フィラメントと呼ばれる樹脂を素材として使用します。

フィラメントとしては、ABS樹脂やPLAが使われます。

プリントの仕組みとしては、熱して液状となったフィラメントをノズルから押し出していき、押し出されたフィラメントを積み重ねて立体物を形作っていく方式です。

光造形方式

光造形方式は、紫外線で硬化する特性のある樹脂を使う方式です。

この方式のプリンタは高価になりますので、家庭用としては一般的ではありません。

光造形方式のしくみ

光造形方式では、プール状にためた樹脂にレーザーを当てることによって樹脂を硬化させ、一層ずつ立体物を作り出していきます。

3Dプリンタとは

3Dプリンタとは

3Dプリンタ?

一般的に使われている普通のプリンタが紙の上に平面的に文字をプリントするのに対して、3Dプリンタは立体的な造形物をプリントする機械のことです。

通常のプリンタが紙の上にプリントするごとく、立体物を作ってしまうので3Dプリンタと呼んでいます。

平面のことを2D(二次元)といい、立体のことを3D(三次元)といいます。

だからといって、従来のプリンタを2Dプリンタと呼ぶようなことはありません。

素材は樹脂

普通のプリンタはプリントにはインクを使いますが、3Dプリンタではインクの代わりにABSやPLAのような樹脂を使います。

樹脂熱で溶かしながら積み上げていくことで立体物を作り上げていきます。

何もないところから少しずつ立体物が出来上がっていく様は壮観です。

使い道

3Dプリンタは主に産業用に使用されており、一般の家庭に普及するまでにはまだまだというところです。

最近は、10万円を切る家庭用3Dプリンターが発売されるようになりましたが、3Dプリンタを使って何をするのか、何ができるのか、ということが一般的に認知されているわけではありません。

なんだか分からないものに手を出す人はいません。

したがって、3Dプリンタが産業用として発展していくのか、家庭を巻き込んでいくのかは今後の展開次第ということがいえます。